喘息の検査方法

 
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喘息の検査は、大きく4つに分類できます。

  1. 気管支喘息かどうかを調べる
  2. 喘息の程度を調べる
  3. 喘息の原因や病型を調べる
  4. その他の検査

 

 

胸部レントゲン写真

喘息は呼吸器の病気ですので、最初に胸部のX線写真を撮影します。
X線写真で肺炎や肺結核、肺がんなどがないかをチェックするため。
X線写真は正面と側面から撮影します。

 

喘息の人は気管支がせまくなっているため、肺が過膨張している状態にあることが多いです。
空気を吐き出すことが困難で、肺に空気が残り、横隔膜が下に押し下げられ、心臓が圧迫されます。
そこで、心陰影が補足なり、水滴が落ちるときのような形に見えることもあります。

 

肺気腫と紛らわしい胸部写真とされてしまうケースがありますが、
喘息の方は気管支が細く、さらに狭くなっているため、肺胞が過膨張になっているのです。

 

肺気腫は、肺胞の壁が壊れていて、肺胞の数が少なくなっています。
タバコをたくさん吸っている、もしくは吸っていた人は、
肺胞が壊れて肺気腫になっていることが多いですが、
胸部レントゲン写真でも、タバコを吸わなかった喘息の人は、
肺気腫に至っていないというのが、通常です。

 

タバコを吸っていなければ、ほとんどの人が喘息だけだといえます。
タバコをたくさん吸った喘息の人は、肺気腫の変化が合併している可能性があります。
喘息なのにタバコを止めなければ、肺気腫に向かうということです。

 

 

心電図

心不全や心臓喘息、不整脈、もしくは虚血性心疾患がないかを
調べる目的で心電図が活用されます。
喘息発作が重症化したり、喘息が慢性化してくることで、
肺からの影響か、右心房に負担がかかり、心房の働きを示す波が大きくなります。
これを肺性Pと呼び、心電図で確認できる場合は、喘息が重症化、慢性化していると診断されます。

 

脈拍数は安静時で1分間に100回までが正常で、
喘息の人は、交感神経刺激剤の影響や喘息発作の状態にあるため、脈拍数が多くなります。

 

中程度の発作があると、脈拍は100を越えて、高度になると、120を越えることもあります。
不整脈が現れていれば、要注意。
必ず医療機関で心電図を調べてもらって、心臓の病気が合併していないかを検査しましょう。

 

 

呼吸機能

気管支が細くなっているかどうかは、ただの風邪や気管支炎と喘息を区別するために
必要な検査。
気管支を調べるための検査は5つ。

 

1.肺活量
肺活量は、肺にどれくらいの量の空気を出し入れできるかを調べます。
喘息の人は肺胞、肺実質には病気がないので、肺活量は普通のはずです。
肺活量は、年齢と身長によって正常値が設定されており、その値に対し、
80%以上あれば、正常といえます。

 

2.一秒量
一秒量というのは、測定機に力いっぱい吹き込んだときに、
一秒間に肺から吐き出すことのできた肺活量をいいます。
喘息の人は気管支が細くなっているため、
一秒間に吐き出すことのできる量は少ないです。

 

3.一秒率
一秒量を肺活量でわり算したのが、一秒率です。
一秒間に肺活量の何%を吐き出せるかが気道狭窄の程度を表してくれます。

 

肺活量の7割以上を1秒間に吐き出すことができたら正常です。

 

喘息だとほとんどが7割以下になります。
気管支が細く、さらに狭くなっているために、一秒率が下がります。
一秒率が下がるほど、気管支は細く、狭くなっていると判断できます。

 

4.気道可逆性テスト
気道狭窄を起こしている喘息患者が、気管支拡張剤を吸入することで、気管支が開きます。
当然一秒量は増加します。
気管支拡張剤を吸入したあとの一秒量が吸入する前よりも20%以上増加すれば、
気道可逆性ありと判定できます。
気管支拡張剤による気道可逆性が20%以上あると喘息と診断されます。

 

5.肺血腫の検査
肺血腫の人でも一秒率は下がります。
そこで、喘息と肺血腫を呼吸機能で識別する必要があります。
それには、残気量と残気率を測定し、クロージングボリウム、肺拡散能などといった
呼吸機能の詳しい検査が必要。

 

 

気道過敏症テスト

気道に炎症があると、気管支が敏感になります。
喘息の人は冷たい空気やタバコの煙、もしくは匂いなどの刺激で
発作がおこってしまうことがあります。
そこで、どの程度、気道が過敏になっているのかを調べることができます。
検査にはメサコリン、アセチルコリン、ヒスタミンなど、
気道収縮物質と呼ばれる検査物質が使用されます。

 

このような物質をうすい濃度から吸入してもらい、濃度を段階的にあげていきます。
そしてどの程度の濃度で呼吸抵抗値が上昇するのかをみるのです。
喘息の人は、正常者や他の慢性呼吸器疾患の方と比べると、
気道の過敏性が高く、低い濃度でも、呼吸抵抗値が上昇します。

 

息苦しいという場合も呼吸抵抗値が高い状態をあらわしていて、
喘息が良くなってくると、呼吸抵抗値は上昇しなくなります。

 

気道の過敏性がどの程度おさまっているかを調べるために
一定の間隔をあけて検査する必要があります。

 

 

血液の検査

喘息と疑われる症状がある場合、気管支喘息か否かを判定する決めてとなるのが、好酸球の検査です。

 

・好酸球とは?
血液の中には赤血球、白血球、血小板という細胞がありますが、白血球の一種が好酸球です。

 

 

アレルギー反応や、喘息発作が起きると、末梢血の中で好酸球が増えます。
好酸球は喘息のコントロールが悪いと増加する。よくなると減ってくるということ。

 

喘息との関係で増減しているうちはまだよくて、好酸球が3割を超えたり、
そこから増加しつづけると、好酸球性肺炎や好酸球性胸膜炎、
アレルギー性肉芽腫性血管炎が起きてしまう場合があります。
また、神経や脳にも炎症がおよんでしまうケースもあります。

 

ストレスが内向することで、喘息やアレルギー反応は悪化するものです。
好酸球も増えてしまいます。

 

喘息をコントロールすると、好酸球は減少し、5~10%に落ち着けば、
それ以上に増加することはなくなります。

 

 

痰(たん)の検査

痰の好酸球検査

喘息の人の痰(たん)にも好酸球が見られるのが普通とされています。
好酸球は血液の中で増加するだけではなくて、気管支の粘膜上で炎症が起きることでも増加します。
よって、好酸球が痰に混ざって出てくるということになります。
痰の中には、いろいろな細胞が混ざるものですが、
2割以上が好酸球であれば、気管支炎と判断して間違いないのではないでしょう。
ただし、胸の奥から出てきた痰でないと好酸球検査はすることができません。
よってつばを検査しても意味がないということになります。

 

痰の培養検査

細菌感染が合併していないかを調べたり、抗生物質を使うか否かの判断材料にしたり、
どの抗生物質を使うべきかを判断するために必要な検査。
細菌やウイルスに感染している人の痰というものは、黄色になったり、
または黄緑色になったりします。

 

ウイルスにだけ感染している場合は、培地には無害な口腔常在菌だけが生えますが、
細菌に感染している場合は、病原菌が培養にて陽性になります。
この検査で、どの薬を使うべきかが判明するのです。

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